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フランスが舞台の料理漫画『Artiste(アルティスト)』
「次にくるマンガ大賞2018」で第4位を獲得した『Artiste(アルティスト)』は、月刊コミックバンチで2016年9月から連載されている料理漫画です。
作者の「さもえど太郎」先生は、このArtisteで商業デビューを果たしました。
この作品では味覚が鋭敏なコミュ障主人公・ジルベールが、一癖も二癖もある同僚の料理人たちや、ジルベールの住むアパートの住人たちなどと時に衝突しあい、わかりあいながら人間として成長していく模様を描いています。
Artisteのあらすじ
パリのレストランで働く気弱な青年・ジルベールは、毎日皿を洗い続ける平凡な日々を送っていた。そんなある日、正反対の性格である、新人マルコと出会う。
その後、ジルベールはその鋭敏な味覚を見込まれて、新しく立ち上げるレストランの副料理長に任命される。
人間関係をはじめとする、さまざまなトラブルに見舞われるジルベール。それでも仲間の料理人たちと共に、料理という芸術(Artiste)を創り上げていく。
一途な思いがキラキラと光る、ヒロインのセリフに震える
あの頃のことを今でも思い出す あなたの髪に 頰に 指に
キッチンの小窓から夏の白い光が降ってきて それが弾けて流しの水に溶けていった
4巻の始まりは、ある女性キャラの素敵な言葉の羅列から始まります。
その女性キャラとは、ジルベールの幼馴染・エルザ。彼女は、ジルベールが副料理長を勤めるレストランで、女性料理人として活躍しています。
そんな2人の出会いは、エルザが家の鍋を焦がしてしまったことから、始まりました。以降、兄妹のように仲良くする2人でしたが、エルザはジルベールに対して早くから恋愛感情を抱いていたようです。
ある日のこと。ジルベールはエルザが泣いている姿に遭遇します。彼女が泣いていた理由は、クラスの男子に「デブ」や「ブス」などと、意地悪なことを言われたため。
でもそれってきみのこと好きなのかもね・・・
それに対してジルベールは、「好きだからちょっかいをかけるんじゃない?」と、エルザに伝える。そんなの喜ぶ女の子いない!と激昂するエルザ。すると、もし自分なら…と、エルザは語り始めるのです。
わ 私だったら 好きな人は誰よりも大切にしたい 夏は朝早く起きて 窓を開けて 冷たい空気を部屋に入れておくわ 冬は似合う色の毛糸を買ってきて セーターを編んであげる
「・・・エルザに好かれる子は幸せだね」とジルベールは言います。本当にそう!
個人的には、「冷たい空気を部屋に入れておくわ」のところが好き!本当に好きなんだなぁって気持ちが伝わってきます。フランスっぽい(?)、めちゃめちゃ素敵なセリフですよね……