マガジンの王道ヤンキー漫画『A-BOUT(アバウト)!』
「週刊少年マガジン」で、2009年から2013年まで連載されていた『A-BOUT!(アバウト!)』。
市川マサ先生の描く王道なヤンキー漫画で単行本は全19巻。
なお、続編には『A-BOUT!!〜朝桐大活躍編〜』『A-BOUT! SURF』があります。※この記事では続編にはあまり触れず、第1部の内容について紹介していきます。
A-BOUT!は、最強のヤンキー高校に転校した主人公・朝桐が、上級生や学外の敵対組織と喧嘩を繰り広げます。
敵にやられて満身創痍の朝桐が、強敵を相手に下馬評を覆す圧倒的な喧嘩を見せて、周りの人間を驚愕させるシーンは最高に気持ち良いです。
また、キャラ同士のやりとりにはギャグ要素がありつつ恋愛要素は全くない、昔ながらのヤンキー漫画のような硬派な部分も魅力。
目次
A-BOUT!のあらすじ
他県にまで悪名が轟く不良校「私立・光嶺高校」に、転入してきた1年生の「朝桐真之輔」。
負けず嫌いなワガママ大王・朝桐が、派閥と上下関係が絶対の光嶺高校で、曲者揃いの2年生や最凶の3年生と激闘を繰り広げる。
物語の主な舞台・光嶺高校のルール
『A-BOUT!』の主な舞台となる不良校・光嶺高校には数々のルールと、光嶺ならではの特徴があります。
校門を潜れるのは光嶺生だけ
※イメージ
光嶺の校門をくぐれるのは現役の光嶺生だけです。他校の生徒はもちろん、たとえ光嶺のOB・卒業生だったとしても校門を潜ることは許されません。
1巻の最初では校内に入ろうとするOBの甲斐と、それを阻もうとする1年の砂原が一触即発になりました。
3年生を頂点に構成される派閥
3年生を頂点に構成されるピラミッドが派閥。いずれかに所属していないと、派閥の不良による圧倒的な数に潰されてしまうため、光嶺の生徒は誰もが派閥に所属しています。
校舎裏のスコアボード
校舎裏の一角には、使い古された一枚の「スコアボード」があります。上級生が下級生に対してメッセージを発信するために使われているものです。
このスコアボードの使用は、3年生と1部の2年生だけ許されており、そのメッセージには絶対に従わなければいけません。
そのルールを破ったのがアサギリ。すぐに樋口派2年の山城の目に触れました。
主人公・アサギリとその仲間たちを紹介!
わがままざんまいのアサギリをはじめとする、個性の際立った不良たちで構成された「アサギリ軍団」。
アサギリの人間性に対するリスペクトは全くありません。
そもそもアサギリ軍団と呼ばれることに不服なメンバーも多いです。しかし全員がアサギリの強さを認めており、有事の際には団結します。
バカだけど強い!「朝桐真之輔」
1巻の作者による紹介では、「こいつは本物だぜ。本物の・・・・・・バカだぜ!!庶民型超ポジティブ即行動男、朝桐真之輔の活躍を楽しんでください!」とあります。
まさにその通りで、ファミレスの窓ガラスを割って2階から飛び降りたり、車に轢かれ骨折した状態で喧嘩したりと、後先考えないバカです。ただし喧嘩はめちゃくちゃ強く、パンチ一発で上級生を沈めることもあるほど。
あと、主人公なのに結構嫌われています。
元ビジュアル系の常識人「瀬下聖矢(ハナノアナ)」
「瀬下聖矢」は、眼鏡をかけた丸坊主の1年生。アサギリ軍団のツッコミ役で数少ない常識人です。いつも朝桐に振り回されています。
前歯は突き出しており、目は細く、ルックスは冴えませんが、抜群の知名度を誇るビジュアル系バンドのボーカルでした。
加減を知らないイケメン狂犬「柾木千春」
「上級生と自分にガソリンをかけてライターで燃やす」、というキチガイ行動で相手を病院送りにした”狂犬”、「柾木千春」。
金髪でイケメンという抜群のビジュアルで、女性からモテます。後述の砂原とは「最凶コンビ」と呼ばれており、他校からも恐れられるほど強いです。
変幻自在の蹴りを使う硬派なヤンキー「砂原竜介」
途中で蹴りの軌道を変える「ナイマン蹴り」で、数々の強敵を粉砕した頼れる男「砂原竜介」。後ろで髪を束ねる風貌が印象的な、1年生屈指の実力者です。
非常にクールな性格で、硬派ヤンキーの見本のような男。もともとは、「帝王・樋口」の下で派閥の1年生をまとめていました。
リーゼントが目立つ人情派「大門寺裕次郎」
時代錯誤なリーゼントと木刀、そして長ラン。そんな変わったビジュアルの大門寺裕次郎は、光嶺生も相手にしないほどのすごいバカとして登場しました。
しかし、仁義や友情に熱く、決して仲間を裏切らない義理堅い男として軍団のなかでも大切な存在です。
巻き込まれ型パンピー「三角(オニギリ)」
頭の形が三角のため、アサギリからオニギリと呼ばれている三角。あまりにも三角なので、ヘッドロックをしてもツルッと滑ってしまい技が効かない、というギャグ要員です。
三角は光嶺生ではなく、不良でもありませんが、なぜかアサギリたちと行動をしばしば共にしています。
一癖も二癖もある派閥最強の3年生
光嶺の派閥の頂点にいるのが3年生。
「光嶺は一度抗争が起きるとトコトンまでやるからよ・・・・まともな体のまま卒業できる奴は一握り・・・・三年になる頃には生徒はほぼ残ってねぇ・・逆に・・三年になってもまともに動けるやつがいたら・・そいつもマトモじゃねぇってことだけどな・・・・」。
これは、元樋口派の1年生・松下のセリフです。それだけ3年生というのは只者ではないということ。
それでは、作中に登場した3年生、4人について紹介していきます。
殺人ハイキックの持ち主「帝王・樋口」
光嶺最大の派閥で頂点に立つ「帝王・樋口」。冷酷な性格で、光嶺において最も恐れられる3年生です。
2巻の最初でアサギリと相対します。「お前自慢していいぜ?」という言葉の後に放ったハイキックで、アサギリは意識を失いました。
樋口を知る光嶺OBの甲斐は、樋口のハイキックを以下のように称しました。
「あいつは特別だ。持ってるモンが違う・・・・特に・・右のハイキック・・・・下手すりゃあ人なんて簡単に死ぬぜ・・・・・・・・」。
君町好きの「破壊王・童門」
実在の恋愛漫画『君のいる町』が好きな「破壊王・童門」は、樋口と比べると人間味のある人物です。
しかし喧嘩となれば、コメディチックな雰囲気は、威圧感溢れるヤンキーへと一変。
朝桐が「樋口以上の怖さ」というほどの威圧感や、自販機を持ち上げ倒れている不良の頭を潰そうとするなど、”破壊王”の異名にふさわしいヤバさを見せつけます。
「無法者(ノールール)・吉岡」
鉄パイプを平気でぶん投げる卑怯さや、朝桐のパンチにキスするという奇行など、変人ぶりが目立つロン毛の「無法者(ノールール)・吉岡」。
しかし、超至近距離で蹴りを繰り出す驚異的な身体能力、砂原にドロップキックをぶちかまし「これが3年!」と驚愕されるなど、真っ当な喧嘩の実力も本物です。
ほぼ一匹狼の「恐竜・天知」
派閥嫌いの3年生、「恐竜・天知」。中学時代は童門とライバルでした。
唯一1年生の六田だけが天知に付き従っているため、天知派と言われることがあります。